年下の男性に教わる。

今日は「青年実業家」とランチをご一緒した。まだ35歳というその人は、飛び級でアメリカの大学を卒業し、20代で年商10億円を越えるグループ企業をつくったそうだ。とても腰が低く、穏やかな口調で話す上品な姿からは、「20代で10億つかむチャンスの見つけ方」などをテーマに講演をするアグレッシブな人物には見えない。

 

私も時折、ソフトなビジネス書や自己啓発系のマナー書などを読む。今年は、小山登美夫「何もしないプロデュース術」、泉正人「人生が変わるお金の大事な話」、やましたひでこ「断捨離」など。臼井由妃の「デキる女は仕上げがうまい」も買ったが、これはさすがに、レジに出すときは恥ずかしかった。

 

意外にも面白かったのが、話題の「もしドラ」。ストーリーは他愛もないが、要所要所に散りばめられたドラッカーの言葉がさすがに深い。いきなり「マネジメント」を読みくだすことは私には無理だろうけれど、「もしドラ」が入門書の役割を果たしてくれたので、時間をかければ「マネジメント」もいけそうだ。

 

しかし、私はこれらの本を読んでも妄想の世界に浸るだけ。実際に成功している実業家は発想が自在だし、「ねばならない」思考がない。自分が何をしたいのかが目的ではなく、目的が事業なのだ。そのことが、今日、彼と話していてよ〜くわかった。中古トラクターの貿易業に始まり、産廃事業を手がけ、ITで飛躍した彼が現在取り組んでいるのは、「たらすみ」という加工食品の販売。いやはや、実業家という人間の着眼点と柔軟性、システムを創り上げる能力に舌を巻いた。ただただ、ため息。もう私は金輪際、ビジネス書には手を出すまい。