よろしく!新 手の間

新 手の間に1面だけ塗られた原田さんの土壁。日田土に大小のスサがリズムをつける。これは塗ってすぐの乾く途中の壁の表情。
新 手の間に1面だけ塗られた原田さんの土壁。日田土に大小のスサがリズムをつける。これは塗ってすぐの乾く途中の壁の表情。

 7月9日月曜日、新しい「手の間」と入居した新築ビル「赤坂MOKUZO」のお披露目を兼ねた引っ越しパーティが済んだ。当日は天候に恵まれ、大勢の人たちが駆けつけてくれた。みなさん、本当にありがとうございました!当日は未入居の1階をお借りし、2階の手の間と行き来する会場構成。1階はクーラーもなく(唯一人、ノースリーブ姿で涼しい顔をしていた私はスタッフから「裸の大将」と呼ばれた)、蒸し暑い環境での会となったことをお詫びします。

 

パーティで準備したつまみは、静岡県富士宮市で有機栽培の野菜作りに励む「照土富士/テラス・ド・フジ」の伊藤さん作「生食用カボチャのコリンキー」「色と形がさまざまな宝石ミニトマト」「エシャロット」。それから、大野城市で活動する元出張料理人・原さんの「季節野菜のマリネ」。そして、9月に赤坂MOKUZO1階で日本茶カフェとバー「萬や」を開業する徳淵さんが用意してくれた真っ赤なサクランボタワー。夏らしい涼やかな草食系ばかりを揃えたが、男性客には物足りなかったかも。ごめんなさい。

 

会は16時〜20時まで、入れ替わり立ち替わり、100人ほどの方々にお越しいただいた。パーティでは豊富なお酒や美味なつまみも大事だけれど、一番大切なのは何と言っても会話。給仕の合間に、初顔同士を引き合わせるのもホステスの役目だ。人から人へ何人も紹介しているうちに、私の周囲は優れたキャリアを持つ実力派クリエイター揃いという事実に気づいた。手がけた仕事を見聞きして、みんなうまいなぁ、いい仕事をしているなぁと、改めて感心するばかり。

 

いったんお開きの後、20時までに来場が叶わなかった人たちが、それ以降を、2階の手の間に集まって過ごした。旧手の間と比べてぐっと狭くなった空間は、1面こそ原田さんの土壁を塗っているものの、予算の関係で、残りの壁面は石膏ボードのまま。床もベニア板だし、机や棚はもちろん、スクリーンから何から何まで、再利用できるものは過去の道具の使い回しだ。立地環境は以前よりも良くなったが、居住環境は正直、質が上がったとは言い難い。それが、もてなす側としては辛い。

 

事務机や展示台のものをガチャガチャと片隅に押しやり、15人ほどがわいわいとひしめく。半数は椅子もなく立ちっぱなしだ。その光景はもはや今までの手の間ではないが、小さいなら小さいなりの心地よさを創り出さなくてはならないんだなぁと、皿を洗いながらぼんやり考えた。狭小空間の茶室には日本独自の美観があるのだから、その世界を目指して、新しい手の間作りはこれからだ!

 

それにしても、7年前の手の間お披露目のときとは、お付き合いする人たちが随分と入れ替わったことを今回のパーティで実感。それは私の進化の証・・・だといいけれど。